介護施設には専門職といわれるプロフェッショナルが大勢働いています

介護施設にも種類があり、全ての施設に該当するわけではありませんが、
一般的な介護付き有料老人ホームを例に挙げてみましょう。
介護施設の種類については下記の記事をご覧ください。
介護施設にはその道のプロが大勢!
日本の介護施設で働く職員には、さまざまな職種と専門職があり、それぞれが重要な役割を担っています。以下は主な職種とその業務内容です。
- 介護職員
- 看護師
- 生活相談員(ソーシャルワーカー)
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)
- 機能訓練指導員
- 栄養士・調理師
- 医師
- 事務職員
- 営繕職員

こんなにさまざまな職種の方が働いて、入居者の生活を支えているんですね。

それでは、各々の業務内容について掘り下げてみましょう。
介護職員
利用者の身体介助(入浴介助、食事介助など)、排泄介助、日常生活の支援、レクリエーションの提供、施設内の清掃など、利用者の日常生活全般の支援を行います。
資格がなくても働くことができますが、「介護福祉士」などの国家資格を持つことが推奨されています。
日常生活支援
利用者の日常生活における支援を行います。食事の介助、入浴の手伝い、着替えや排泄のサポートなど、身体介助を含む日常生活の補助を行います。
健康管理と観察
利用者の健康状態や体調の変化を観察し、必要に応じて看護師や医師に報告します。定期的なバイタルチェックや健康アセスメントを実施し、健康管理に貢献します。
心理的・精神的支援
利用者の心理的なニーズに対応し、コミュニケーションやリラクゼーション、レクリエーション活動の提供を通じて精神的な支えをします。認知症や精神疾患を持つ利用者に対するサポートも行います。
生活相談とケアプランの立案
利用者やその家族との相談を通じて、生活上の問題やニーズを把握し、個別のケアプランを立案します。利用者の希望や能力に合わせた支援計画を作成し、実行します。
介護記録の管理
利用者の状態やサービス提供の内容を記録し、適切な情報の共有と連携を図ります。他の職種との情報交換を通じて、利用者のケアの連続性を確保します。
リハビリテーションの支援
機能訓練やリハビリテーションプログラムの実施を支援します。運動療法や日常生活動作の訓練を通じて、利用者の機能回復や維持をサポートします。
福祉サービスの調整と案内
施設内外の福祉サービスや地域の支援組織と連携し、利用者に適切なサービスを紹介・調整します。社会資源の活用を通じて、利用者の生活の質を向上させる取り組みを行います。
看護師
利用者の健康管理、医療行為(薬の管理、傷の処置など)、健康相談、医師との連携などを行います。施設によっては24時間看護師が常駐している場合もあります。
健康管理と評価
利用者の健康状態を定期的に評価し、健康管理を行います。これには、血圧・体温・脈拍などのバイタルサインの測定や健康アセスメントが含まれます。
医療処置の実施
医師の指示に基づいて、投薬や創傷処置、点滴の管理などの医療処置を行います。また、緊急時の応急処置や救急措置を施します。
看護記録の管理
利用者の状態や医療処置の内容を正確に記録し、看護記録を管理します。これにより、連携する医師や他職種と情報共有を行い、利用者の健康状態の把握を支援します。
健康相談と教育
利用者やその家族に対して、健康に関する相談やアドバイスを行います。特に、疾病管理や健康増進のための教育を提供し、生活指導を行います。
緊急対応と危機管理
緊急時や突発的な状況に対応し、迅速かつ適切な対処を行います。利用者の安全を確保するための危機管理や予防措置を実施します。
医療連携とチーム医療
医師や他の医療専門職、介護職員と連携し、チーム医療を推進します。利用者の総合的なケア計画に貢献し、それを実行するための支援を行います。
感染管理と予防対策
感染症の予防や管理を行い、施設内での感染リスクを最小限に抑えるための措置を実施します。手洗いや消毒の指導も行います。
看護倫理と法的責任
看護の倫理規範や法的責任を遵守し、利用者の権利と尊厳を尊重しながら、看護実践を行います。
生活相談員
入居者やその家族と施設の間の橋渡しをする役割を持ち、外部機関との連絡調整や行政的な手続きを担当します。(ソーシャルワーカーと呼ばれることもあります)
入居者や利用者の支援と相談
利用者やその家族との面談を通じて、生活上の問題や困難を共有し、解決策を探ります。心理的・社会的な支援を提供し、利用者のニーズに応じたケアプランを立案・実行します。
情報提供とリソース紹介
利用者や家族に施設内外の福祉サービスや支援組織についての情報提供を行います。必要なリソースの紹介やアクセス支援を通じて、生活の質の向上を支援します。
ケアプランの調整と支援
利用者の個別ニーズに応じたケアプランの調整と支援を行います。医療・介護サービスの調整や連携強化を通じて、利用者の総合的なケアを推進します。
家族や関係者との連絡調整
利用者の家族や関係者と連絡を取り、サポートの必要性や計画の進捗を共有します。家族会議やケアチームの会議に参加し、情報共有と連携を図ります。
心理的・精神的支援
利用者や家族の心理的なストレスや課題に対応し、カウンセリングや支援を提供します。特に認知症や終末期ケアの場面で、感情的な支えや心のケアを行います。
ケースワークとカウンセリング
利用者個々のケースに応じて、カウンセリングやケースワークを通じて問題解決やストレス管理を支援します。社会的・心理的な側面からのアプローチを行います。
法的・倫理的なサポート
利用者や家族が直面する法的な問題や倫理的なジレンマに対処し、適切な支援やアドバイスを提供します。法律や規制に基づいた情報提供や説明を行います。
介護支援相談員
ケアマネジャーとも呼ばれます。入居者に合った介護サービス利用計画書(ケアプラン)を作成し、介護サービスの調整を行います。
ケアプランの作成と管理
利用者のニーズを評価し、個別のケアプランを作成します。これには、日常生活支援や医療・福祉サービスの提供内容を計画し、必要なサービスを調整・管理します。
利用者や家族との相談と調整
利用者やその家族と密接に連絡を取り、ニーズや要望を理解し、ケアプランの調整や改善を行います。特に重要な決定や状況変化に応じて、適切なサポートを提供します。
サービスの紹介と調整
医療・介護スタッフや関連機関との連携を図り、利用者のケアを総合的に管理します。情報共有や連携強化を通じて、効果的なケアの提供を目指します。
予算管理と財務支援
利用者や家族と協力して、予算の作成や管理を行います。利用者の経済的状況や制約を考慮し、財政支援や経済的なアドバイスを提供します。
法的・倫理的課題の解決
利用者の権利や法的な問題に対処し、倫理的な観点からのサポートを提供します。特に、医療や福祉の分野での倫理的問題や困難な決定に対応します。
地域連携とネットワーク構築
地域の福祉資源や支援組織との連携を強化し、利用者の地域生活の質を向上させるための取り組みを推進します。地域のネットワーク構築により、利用者の生活環境を支えます。
機能訓練指導員
理学療法士、作業療法士、言語療法士などがこの役割を担い、入居者のリハビリの方針を決め、サポートをします。
理学療法士の得意領域
理学療法士は、利用者の身体機能の回復・維持を支援し、生活の質を向上させるために専門的な知識と技術を活かしています。特に高齢者やリハビリが必要な利用者に対して、個別に適したプランを提供し、その人らしい生活を支える役割を果たしています。
機能訓練の実施
利用者の身体機能や運動能力の評価を行い、個別のリハビリテーションプランを立案します。これには、筋力トレーニング、関節可動域の向上、バランス訓練などが含まれます。
リハビリテーションプログラムの設計
利用者の状態や目標に応じたリハビリテーションプログラムを設計し、運動療法や機能訓練を実施します。具体的には、歩行訓練、リハビリ用具の使用指導、日常生活動作の訓練などがあります。
運動療法の提供
筋力増強や柔軟性向上、姿勢の改善など、運動療法を通じて利用者の機能回復や日常生活の向上を支援します。運動プログラムの進捗管理や調整も行います。
装具や補助具の評価と適用
利用者の身体的状態や日常生活に合わせて、適切な装具や補助具の評価・適用を行います。これには、歩行器や車椅子、義肢などが含まれます。
機能訓練の助言と指導
利用者やその家族に対して、運動や日常生活動作の改善に向けたアドバイスや指導を行います。自宅での継続的な運動プログラムや安全な動作の指導も行います。
チーム医療との連携
医師、看護師、リハビリテーションチームなど他の医療専門職と協力し、利用者の総合的なケアプランを立案・実施します。情報共有や連携を図りながら、最適なケアを提供します。
退院支援と移行ケア
退院後のリハビリテーションや社会復帰のサポートを行います。利用者が安全に自宅生活に戻れるような計画を立て、必要な支援を提供します。
作業療法士の得意領域
作業療法士は、利用者が最大限の自立性を保ちながら、安全で快適な生活を送れるよう支援します。日常生活動作の訓練や機能改善を通じて、利用者の生活の質を向上させることを目指しています。
日常生活動作の評価と訓練
利用者の日常生活動作(ADL)能力を評価し、バッテリー試験や日常生活能力検査を用いて、その能力を客観的に把握します。その後、個別のリハビリテーションプランを立案し、ADL訓練を実施します。
手指機能の改善と訓練
手の筋力や動きの改善を目指して、手指訓練を行います。利用者が日常生活で必要とする動作(食事、着替え、入浴など)を効果的に行えるよう、訓練を提供します。
認知機能の訓練
認知機能の低下がある利用者に対して、認知リハビリテーションを行います。記憶力や集中力の向上、問題解決能力の訓練などを通じて、日常生活での機能維持や改善を支援します。
移動能力とバランスの向上
利用者の移動能力やバランスの改善を目指して、歩行訓練や体幹トレーニングを実施します。安全な歩行や転倒予防のための支援も行います。
車両や介護用具の適切な利用の支援
利用者の身体的特性や日常生活でのニーズに応じて、車椅子や歩行補助具などの適切な使用方法を教育・指導します。安全性や快適性を考慮しながら、利用者の自立をサポートします。
環境適応の支援
施設内外の環境に適応するための訓練やアドバイスを提供します。これには、住環境の改善やアクティビティスペースの利用の促進も含まれます。
家族や介護者への教育と支援
利用者の家族や介護者に対して、日常生活での適切な支援方法や訓練プログラムの内容について、教育やアドバイスを行います。連携を通じて、利用者のケアの質を向上させます。
言語療法士の得意領域
言語療法士は、言語・コミュニケーション能力の向上と食事・嚥下の改善を通じて、利用者が安全で自立した生活を送ることができるよう支援します。
言語能力の評価と治療計画の立案
利用者の言語能力(会話、理解、文章の理解など)やコミュニケーション能力(発声、発音、会話の流暢さなど)を評価し、個別の治療計画を立案します。
言語障害の治療と訓練
言語障害(失語症、言語遅延、音声障害など)がある利用者に対して、言語療法を行います。具体的には、言語訓練、コミュニケーション技術の向上、発声練習などを通じて、言語能力の改善を支援します。
嚥下(飲み込み)機能の評価と治療
嚥下機能に問題がある利用者に対して、嚥下評価(飲み込み機能の評価)を行い、安全な食事と液体摂取を確保するための治療を提供します。嚥下訓練や食事の調整、食事介助の方法の指導を行います。
認知機能の評価とリハビリテーション
認知機能の低下や認知言語障害がある利用者に対して、認知リハビリテーションを行います。記憶力、注意力、問題解決能力などを強化するための訓練を提供します。
コミュニケーションの支援とアシスト技術の提供
言語障害やコミュニケーション障害を持つ利用者が、効果的にコミュニケーションできるように、補助技術や具体的なコミュニケーション戦略を提供します。また、コミュニケーションパートナー(家族や介護者)への教育やサポートも行います。
口腔ケアと予防
言語療法士は、口腔機能の維持と改善を支援するために、口腔筋肉の訓練や口腔ケアの指導を行います。口腔ケアの正しい方法や予防措置を利用者や介護者に教育します。
チーム医療との連携
医師、看護師、理学療法士、作業療法士など他の医療専門職と連携し、利用者の総合的なケアプランを立案・実行します。情報共有や連携強化を図りながら、最適な支援を提供します。
栄養士・調理師
入居者の食事のメニュー作成や調理を行い、個々の健康状態や嚥下機能に合わせた食事を提供します。栄養士や調理師は、利用者の健康を支える重要な役割を担っており、栄養管理と食事の提供において高い専門性が求められます。
食事の計画と調整
利用者の健康状態や個々の栄養ニーズを考慮し、バランスの取れた食事のメニューを計画します。特に高齢者や特定の疾患を持つ利用者に対して、栄養バランスの良い食事を提供することが重要です。
食材の調達と管理
食材の選定、調達、在庫管理を行います。新鮮で安全な食材を選び、施設の予算や栄養価の観点から効率的に管理します。
調理と盛り付け
調理業務を行い、利用者に提供する料理を作ります。調理の際には栄養バランスや食事の質、見た目の美しさなどを考慮して料理を盛り付けます。
特別食の準備
アレルギー対応食、糖尿病食、消化器官の疾患に配慮した食事など、特別な食事の準備をします。利用者の個別ニーズに応じた食事の提供が求められます。
衛生管理
施設内の厨房や調理器具の清潔さを保ち、衛生管理に努めます。食品衛生法や衛生基準に基づいて、安全で衛生的な食事の提供を行います。
利用者とのコミュニケーション
利用者の食事に関する要望や健康状態の変化に敏感に対応し、食事面でのアドバイスや支援を行います。また、利用者とのコミュニケーションを通じて、食事の満足度や改善点を把握し、サービス向上に努めます。
栄養教育と健康管理
利用者やその家族に対して、栄養に関する教育や健康管理のアドバイスを行います。健康増進や食生活改善のための支援も担当します。
医師
施設における入居者の総合的な医療管理を担当し、必要に応じて往診を行うこともあります。
医療診断と治療
利用者の健康状態を診断し、必要に応じて治療を行います。慢性疾患や急性症状の管理、薬物療法の管理などを担当します。
健康管理と予防医療
利用者の定期的な健康診断や健康管理を行い、健康維持・予防医療の推進を図ります。ワクチン接種や健康相談、健康教育なども行います。
急変時の対応
利用者が急変した場合に迅速に対応し、必要な治療や措置を行います。緊急時の医療対応や救急処置を行うこともあります。
診療計画の立案と実施
利用者の個別の医療・ケア計画を立案し、他の医療専門職やケアスタッフと連携して実施します。病状の変化や治療効果の評価も行います。
入居者や家族とのコミュニケーション
利用者やその家族との面談を通じて、健康状態や治療計画に関する説明や相談を行います。意思決定の支援や心理的なサポートも提供します。
医療チームとの連携
理学療法士、作業療法士、言語療法士、看護師など他の医療専門職と協力して、利用者の総合的なケアを推進します。チーム会議に参加し、情報共有や連携を図ります。
記録の管理と報告
利用者の医療記録を適切に管理し、診療の進行状況や処方薬の管理を行います。医療行為に関する報告や文書作成も行います。
事務職員
施設の日常運営における事務的な業務全般を担当します。
施設運営のサポート
施設の日常運営における事務的な業務全般を担当します。これには、電話対応や来客対応、郵便物の管理、受付業務などが含まれます。
書類・文書の管理
利用者やスタッフの書類管理を行います。これには、入退所手続きの書類作成や管理、各種申請書類の作成支援などが含まれます。
会計業務
施設の会計業務を担当します。資金の受領や支出の管理、経費の精算、利用者や家族への請求書の発行などがあります。
情報管理システムの運用
施設内の情報管理システムの運用を行い、データの入力や管理、システムトラブルの対応などをします。
行政手続きのサポート
福祉サービスの提供に関連する行政手続きのサポートを行います。これには、福祉施設の登録・認証申請の支援、各種許認可関連の書類の提出、関連法令の確認や遵守などが含まれます。
スタッフのサポート
スタッフのスケジュール管理や出勤管理、給与計算のサポート、教育研修の手配など、職員のサポート業務を行います。
営繕職員
介護施設を快適に保つたの様々なメンテナンスを行ったり、入居者さんの送迎を行います。介護施設の縁の下の力持ち的存在です。
施設設備の保守管理
施設内の建物、設備、機器の定期点検・メンテナンスを行います。これには、空調設備、給排水設備、電気設備などの保守管理が含まれます。
修繕・改修工事の計画と実施
建物や設備の修理や改修工事の計画立案と実施を担当します。必要に応じて、専門業者の手配や工事進捗管理を行います。
安全管理
施設内の安全管理を担当し、防災対策や安全設備の点検・管理、定期的な消防訓練の実施などを行います。また、災害時の緊急対応体制の確保も重要な業務です。
設備トラブル対応
設備の故障やトラブルが発生した際に迅速に対応し、修理や応急処置を行います。利用者やスタッフからの設備に関する要望や問い合わせにも対応します。
清掃管理
施設内外の清掃管理を行い、衛生的で快適な環境を維持します。特に公共スペースや共有部分の清掃は重要な業務です。
施設の改善提案
利用者やスタッフの意見を取り入れ、施設の利便性や快適性を向上させるための改善提案を行います。例えば、設備の更新や新しい設備の導入などが含まれます。
外部業者との調整
外部業者や専門業者との連絡調整を行い、施設の運営に必要な外部サービス(清掃業者、修繕業者など)との連携を取ります。
緊急対応
夜間や休日における緊急対応体制の確保や、施設の緊急事態に対する即応力の向上が求められます。
まとめ

介護施設には実に様々な専門職のスペシャリストの方が働いているんですね。
この方々が、入居者の日々の快適な生活を支えているんですね!

介護施設の見学時に、働くスタッフの様子を見ることもできますよ。

介護施設への入居を考え始めたら・・・
是非我々にご相談ください!
介護施設にはどのような人たちが働いているんですか?