介護保険サービスを利用するには、まず「介護認定」を受ける必要があります。
ここでは、介護認定の種類や手続きの流れ、受けられるサービスについてわかりやすく解説します。
目次
要支援と要介護の違い

介護認定には大きく分けて「要支援」と「要介護」の2種類があります。
要支援(ようしえん)
- 症状の目安:日常生活は基本的に自立しているが、一部の動作や社会参加に支援が必要な状態。軽度の認知症や、軽い移動制限などが含まれます。
- 認定方法:地域包括支援センターやケアマネジャーによる面談やアセスメントで判断されます。日常生活の状況や必要な支援内容が評価されます。
要支援1
- 症状:軽い筋力低下や歩行の不安など。日常動作は自分でできるが、見守りや部分的な介助が必要。
- 主な支援:訪問介護や訪問看護など、身体的サポートが中心。
要支援2
- 症状:軽度の認知症や物忘れが増え、日常生活に支障がある場合。
- 主な支援:デイサービスや認知症サポート施設での活動、リハビリ、社会参加支援。
要介護(ようかいご)
- 症状の目安:日常生活のほとんど、または全てが自立できず、他人の介助が必要な状態。重度の認知症や寝たきり、身体障害などが該当します。
- 認定方法:要支援と同様に、訪問調査や主治医の意見書をもとに判定されます。
要介護1~5の概要
| 介護度 | 主な症状 |
|---|---|
| 1 | 軽度の身体的支援が必要。日常生活や歩行に一部介助が必要。 |
| 2 | 中等度の支援が必要。トイレ介助や食事準備など、日常生活動作に介助が必要。 |
| 3 | ほぼ全ての生活動作で介助が必要。歩行は杖・歩行器・車椅子を使用。 |
| 4 | 高度な介助が必要。日常生活全般で支援が必要。認知機能も低下。 |
| 5 | 日常生活全般で全面的な介助が必要。コミュニケーションも困難な状態。 |
受けられる介護サービス

- 訪問介護:介護職員が自宅を訪問し、身体介助や生活支援を行う
- 施設サービス:介護老人保健施設や特別養護老人ホームでの入浴・食事介助
- 通所介護(デイサービス):日中の生活支援やリハビリ
- 特定施設入居者生活介護:施設で24時間の介護や看護
- 短期入所サービス:家族が休養する間の短期間入所
- 訪問看護:看護師による医療的ケアや健康管理
- 福祉用具の利用:歩行補助や日常生活を助ける介護用品の活用
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介護認定の手順

- 申請
利用者または家族が、市区町村や地域包括支援センターに申請。
介護保険被保険者証が必要。40~64歳の第2号被保険者は医療保険証も必要です。 - 訪問調査
調査員が自宅や施設を訪問し、日常生活や健康状態を確認。
主治医意見書も提出されます。 - 審査・判定
訪問調査結果と主治医意見書をもとに、一次判定・二次判定を経て介護度が決定されます。 - 評価結果の通知
市区町村から要支援1~2、要介護1~5の認定結果が通知されます。 - ケアプラン作成
- 要支援1・2:地域包括支援センターに相談
- 要介護1以上:ケアマネジャーによる居宅介護支援事業者が作成
利用者の介護度や生活状況に応じたサービス計画(ケアプラン)を作成します。
- サービスの利用・定期的再評価
ケアプランに沿って、適切な介護サービスを受けられます。状況が変われば、再評価が必要です。
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まとめ

介護認定は、介護サービスを受けるための第一歩です。
要支援・要介護の違いや段階ごとの支援内容を理解することで、より適切なサービスを利用できます。
定期的な再評価やケアプランの見直しを行い、利用者と家族双方の生活の質(QOL)向上を目指しましょう。


