教えて！介護保険制度ってどんな制度？

多角的な視点から介護保険制度について考察していきましょう

導入の背景

日本の介護保険制度は、高齢者の介護を社会全体で支え合うために2000年に導入されました。社会背景として、高齢化率の増加や核家族化の進行により家族介護者の負担が増加していたことが挙げられます。
介護保険制度は介護が必要な方が自立した生活を送れるように支援し、社会的に介護を支える仕組みを提供することを目的としています。40歳以上の国民が保険料を納め、介護が必要になった際には、原則1割の自己負担で様々な介護サービスを利用できるようになっています。

介護保険制度の特徴

自立支援

高齢者が自立した生活を送れるよう支援することを目的としています。

利用者本位

利用者のニーズに応じたサービスが提供され、個々の状況に合わせたケアが可能です。
高額な介護費用を抱える家庭でも、制度により費用負担が軽減されます。

予防重視

介護予防や健康づくりを推進し、高齢者が要介護状態になることを遅らせる取り組みが行われています。

所得に応じた自己負担

所得に応じて自己負担割合が設定されており、高額所得者はより多く負担することで、所得格差によるサービス利用の差を緩和しています。

一方で・・・

財源の確保

国民皆保険制度であり、被保険者の保険料と税金によって賄われますが、高齢化社会の進行に伴い、介護費用の増大が懸念されるなど給付増に直面しており、財政的な持続可能性が課題となっています。

サービスの画一性

地域によって介護サービスの質や量に差があり、都市部と地方では利用できるサービスに格差が生じるといった地域格差も聞かれます。
また、介護の現場では介護職員の不足が深刻化しており、サービスの質や労働環境の改善が求められています。また人気のあるサービスや施設への入所には待ち時間が生じることがあり、待機問題やサービスの質や選択肢の確保が課題になっています。