生活の質の向上のためにできることは?
視力の低下(老眼)のメカニズム
水晶体の硬化
年齢を重ねると、目の水晶体(カメラでいうレンズの部分)が硬くなり、弾力性を失います。この硬化により、水晶体が焦点を合わせる能力が低下します。
調節筋の衰え
目の中には水晶体を調節する筋肉がありますが、この筋肉も加齢により弱くなります。そのため、近くの物を見る際に焦点を合わせるのが難しくなります。
瞳孔の変化
瞳孔が老化により小さくなると、入ってくる光の量が減り、視界が暗く感じたり、コントラストが低下したりします。
老眼のサポート方法
1、トレーニング
目のストレッチ 目を閉じて5秒間維持し、開けて右回り・左回りに目を回す
焦点トレーニング 近くの物と遠くの物を交互に見ることで、目の筋肉を鍛えます
2、矯正器具
老眼鏡 近くを見るための専用の眼鏡です。度数が細かく分かれており、生活習慣に合わせて選べます
遠近両用眼鏡 一つの眼鏡で遠くも近くも見えるように設計されています
3、生活習慣の改善
目の休憩 長時間の読書やパソコン作業の合間に、定期的に目を休めることが大切です
栄養補給 目に良いとされるルテインやアスタキサンチンを含む食材を摂取することも効果的です
4、医療的なサポート
目薬 ピント調節をスムーズにする成分が含まれた目薬を使用する
専門医の診察 眼科での定期的な検診を受け、適切なアドバイスをもらうことも重要です
聴力の低下(加齢性難聴)のメカニズム
内耳の損傷
内耳には音を電気信号に変換する細胞(有毛細胞)があり、加齢によりこれらの細胞が減少したり、機能が低下します。この結果、音の感知能力が低下します。
音の伝導路の変化
耳の中の骨(耳小骨)が硬くなったり、耳の構造が変化することで音の伝導が悪くなります。
神経経路の劣化
音の情報を脳に伝える神経経路も加齢により劣化し、音を正確に認識する能力が低下します。
聴力低下のサポート方法
1、補聴器の使用
補聴器
聴力が低下した部分を補うための最も一般的な方法です。デジタル補聴器は、音の強さを調整するだけでなく、ノイズキャンセリングや音質の調整が可能です。
カスタム補聴器
耳の形に合わせて作られるため、装着感が良く音質も自然です。
Bluetooth補聴器
スマートフォンやテレビと連携し、音声を直接補聴器に送信できます。
2、コミュニケーションの工夫
明瞭に話す
はっきりと、ゆっくりと話すことで、相手が音声を聞き取りやすくします。
視覚的なサポート
会話の際に、ジェスチャーや表情、口の動きなどを使うことで、聞き取りやすくなります。
環境の工夫
静かな場所での会話を心がけ、音の反響や背景音を最小限に抑えます。
3、聴覚リハビリテーション
聴覚リハビリ
専門の音声言語療法士による聴覚訓練や、聞き取り能力を向上させるトレーニングが行われることがあります。
音声認識トレーニング
日常的に音声認識の練習をすることで、聞き取り能力を改善することができます。
4、補助装置と技術の利用
電話用の補助装置
聞き取りやすい電話を使ったり、音声を増幅する電話機の利用が有効です。
音声増幅装置
家庭内での会話やテレビの音量を増幅するための装置があります。テレビの音を補聴器やイヤフォンに直接送る装置もあります。
助聴器付きのアラーム
音声だけでなく、振動や視覚的な警告も提供するアラームを使います。